- のく
- のく【退く】※一※ (動カ五[四])(1)わきへ移る。 どく。
「車が来たのでわきへ~・く」「雀の子そこ~・けそこ~・けお馬が通る/おらが春」
(2)引き払う。 立ちのく。 どく。「銭湯が~・いたあとに商店ができた」
(3)脱退する。「会を~・く」「仲間ヲ~・ク/ヘボン」
(4)離れた場所にある, または, いる。 距離を置く。「いと遥かに見やり参らせて, ~・きてなむ車ども引き立てたるに/栄花(嶺の月)」「居給ふべき所と見ゆるは, 寺よりは少し~・きてぞありける/狭衣 4」
(5)退却する。「しばしもこらへず, 二町ばかりざつと引いてぞ~・きにける/平家 11」
(6)ある地位からしりぞく。「ひたぶるに取られむよりは, 我とや~・きなまし/大鏡(師尹)」
(7)関係が疎遠になる。 縁が切れる。「思ひも譲りつべく, ~・く心地し給へど/源氏(浮舟)」
〔「のける」に対する自動詞〕‖可能‖ のける※二※ (動カ下二)⇒ のける退いた仲かかわりのない間柄。 無関係の仲。「名山様, お前も余り~ぢやないぞえ/歌舞伎・韓人漢文」
退かぬ仲切っても切れない仲。 関係浅からぬ仲。「そなたも~なれば是にと/浮世草子・五人女 3」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.